ラーメン一心 店主ブログ

富山ブラックラーメンとは?

こんにちは。ラーメン一心の中村です。

富山ブラックというものが、ある時から全国的に有名になりました。

富山ブラックに関してはいろんな意見や見方がありますがラーメン屋ならではの視点で探っていこうと思います。

目次

1、富山ブラックの元祖。

2、富山ブラックが広まった理由

3、今は無き孤高のラーメン店

4、一心のブラックラーメンは?

富山ブラックの成り立ち

1955年 富山大空襲の復興事業に当たっていた若者の塩分補給のため、

醤油の濃いラーメンに、ご飯を持ち込んでラーメンをおかずにして食べるというスタイルで人気だった店が、「大喜」でした。

その頃は富山ブラックという呼び名だった訳ではなく、大和や、今はなき西武百貨店、

西町ユニーでお買い物をして大喜で中華そばを食べるというのが当時のトレンドでした。

私も子供のころ、親に連れられて行ったのを覚えています。

とても懐かしいです。

当時は現在と違い外食などは贅沢な時代で、

せいぜい食堂から出前を取るというのが普通でしたので、

はっきり記憶にあります。

衝撃的に味が濃くチャーシューが山のようにあり、

もちろん美味しいのですが「大人の味」というのが印象的でした。

当時の大喜のラーメンスープは、

そこまで黒くはなく茶色っぽい感じで濁っているようでしたね。

富山ブラックが広まった理由

時代とともに様々なラーメン店が出てきて、

その中で大喜に影響されたような店も多く出てきました。

薄い醤油のラーメンもある中、様々なスタイルの醤油味の濃いラーメン店があって、

気づけば他県より圧倒的に醤油の黒いスープのラーメンが普通になっていたようです。

それがある時ラーメンマニアの間で「ブラックラーメン」や「富山ブラック」など言われ始め、それがメディアの影響などで全国に広まっていったのです。

それに伴いラーメン以外でも富山ブラックを謳う商品がたくさん出てきました。

今では全国の人に富山ブラックが認知されています。

今は無き孤高の店

私の中では、大喜系と竜豊系、オリジナル系に分かれていると考えています。

「竜豊」というのは、正式名所「ドライブイン竜豊」というラーメン店でして、

今はもう閉店してありません。

30年くらい前、呉羽山に夜のみの営業で不定休という形で営業していました。

そこが当時凄くて、夜中12時ごろでもいつも満席で並んでいるのです。

私も大好きでよく行きました。

独特な味、見たこともない麺、初めて食べたときは衝撃的でした。

太くて縮れていて・・・ただ、普通の縮れではないですよ。

縮れすぎていて麺同士がくっついているような?!

とにかく変わった麺、でも美味しい。

スープも凄い味でして、醤油が濃くいわゆる富山ブラック!

ただ、大喜とは全く違う感じで、スープの表面に油がたくさん浮いているのですが、しつこくなく独特なものでした。未だにその油はなんなのか分かりません。

とても味わい深いラーメンで、

濃いのですが全部飲み干してしまうくらいの美味しさでした。

私も一心をオープンしてから何回かそのスープにチャレンジしましたが、

出来ませんでした。

難しい!の一言。

その店はラーメンとライスしかないのですが、

正式には「中華そば」だったような気がします。

当時のラーメンの平均価格は、500円前後でしたがそこは850円くらいで、

チャーシュー麺は1250円という、飛びぬけて高い値段でした。

それだけ魅力のあるラーメンだったのでしょう。

いつの日かそのラーメンを再現してみたいです。

一心のブラックは?

一心をオープンする時、実は竜豊のようなラーメンで勝負したかったのですが、

思うようにはいきませんでした。

開業してからも気に入っている富山の有名ラーメン店の味を真似しようとしましたが、

結局は2番煎じみたいになり、うまくいきません。

それから何年間も試行錯誤の繰り返しでした。

県外の有名店も食べ歩くようになったのですが、

今まで食べてきたラーメンとは違って富山にはない味で感動したものです。

その中でも和歌山で有名な「井出商店」の豚骨醤油ラーメン、

喜多方は「まこと食堂」の豚骨と煮干しの効いたラーメン、

尾道「朱華園」の鶏スープのラーメン、これが衝撃的な味で、

最終的にこの3つと、

いわゆる富山ブラックスープの融合を目指す形に自然となっていきました。

この、ご当地ラーメン3店は、スープがとてもシンプルというのが特徴的です。

一心のブラックラーメンは、

手作り醤油「北陸」の風味は思いっきり立たせたいのですが、

塩辛くなくスープを飲み干せるようなもので、

更に奥深いコクがありながらも、

しつこくなく食べ飽きないラーメンを目指しました。

この相反したラーメンの探求に終わりはなく、現在も続いております。

一心の醤油ラーメンは、鶏に豚骨少々のみと、

タレはチャーシューの煮汁を煮詰めたものに節類をブレンドしたものですが、

シンプルゆえにバランスが少しでも狂うと、

ラーメン全体にとても影響がでます。

長年やっていますが、とても繊細で難しく、

その分新しい発見があったり味の向上ができたりすると、

最高にうれしいです。

まだまだ、一心のブラックラーメンについては言いたいことが沢山ありますが、

長くなるのでまたの機会に書きたいと思います。

楽しみにしていて下さい。

修行することもなく25年間オリジナルのブラックラーメンを追求してきた、

どこにもない、現在の「コク旨醤油ラーメン」を是非味わってみてください。

お店に中々来ることができない方には通販サイトもやっておりますのでお店の味をそのまま再現できます。

冷蔵タイプのストレートスープ、

自家製生めん出来立てを宅配便にて送らせていただきます。

これからもラーメン一心をどうぞよろしくお願いいたします。

ラーメン一心 中村剛志